1998-03-20 ArtNo.14253
◆<星>拠点企業、為替相場変動の懸念軽微
【シンガポール】シンガポール拠点の企業は外国為替相場変動のリスクに直面しているものの、それほど深刻な懸念は抱いていないようだ。
シンガポール外国為替市場委員会がシンガポールに財務管理部門を設けている多国籍企業14社と国際業務を手がける地元企業13社を対象に、通貨エクスポージャーとリスク・マネージメントの状況を調査したところ、これらの企業の84%が為替相場変動のリスクに直面していると回答したものの、65%の者はこの種のリスクは穏やかなものと指摘、ハイ・リスクに直面していると回答した者は19%にとどまった。
地元企業は全て米ドルに対するエクスポージャーを有する他、85%がMドルに、46~62%がHKドル、豪ドル、人民元、もしくはルピアに対するエクスポージャーを有する。多国籍企業も全社が米ドルに対してエクスポージャーを有し、人民元、Mドル、HKドルに対するエクスポージャーも指摘している。
こうしたリスクをカバーする最もポピュラーな方式は、先物為替予約で、オプション、スワップ、フューチャー、バック・ツー・バック・ローン等は、それほど利用されていない。
回答企業の63%は、長期契約や安定した関係よりも、最良の条件をオファーする金融機関と取引するとしている。また多国籍企業の71%が、地元金融機関よりも大手多国籍銀行を好むのに対し、地元企業は特に好みを持たない。金融管理局(MAS)の統計によれば、1997年の当地におけるトレジャリー・ビジネスは前年比10%増の27億4000万Sドル、利益は同4%増の14億4000万米ドルだった。(ST,BT,LZ:3/19)
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