1998-03-18 ArtNo.14221
◆<星・比>往復貿易急成長、電子ビジネスが牽引役に
【シンガポール】フィリピンがシンガポールの最も急速に成長する輸出市場として浮上、フィリピン・メード死刑事件で一時冷却していた両国関係に、再び経済的蜜月時代が到来した感が有る。
シンガポールの昨年のフィリピン向け輸出は35%の成長を遂げ、成長率では中国(26%)、台湾(22%)を追い越してトップに立った。特にシンガポールのフィリピン向け国産非石油製品輸出は40%の成長を遂げた。これに対して同年のシンガポールの全アジア向け輸出は3.9%、世界向け輸出は5.3%の成長にとどまった。
フィリピンからの輸入は、輸出を上回るさらに大幅な成長を見ており、昨年は50%に達した。この結果往復貿易も40%増の73億4000万Sドルと、1994年の36億Sドルから2倍に拡大している。
シンガポール貿易開発局(TDB)マニラ事務所のマリアン・シム代表によると、国際電子ビジネスが両国間の貿易成長を牽引している。シンガポール拠点の多国籍企業の多くがフィリピンに製造拠点を設け、ロー・エンドの組立作業等を行った後、シンガポールに輸入し、最後の仕上げを施し、全世界に再輸出している。特にフィリピンに設けられた特別経済区がシンガポール企業を引き寄せている。
シンガポール駐在のアルベルト・エンコミエンダ・フィリピン大使によると、英語を理解し、如何なる訓練にも順応する低コストな労働者の存在が投資地としてのフィリピンの魅力を高めていると言う。(ST:3/17)
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