1998-03-16 ArtNo.14191
◆<星>PSAの大連合弁事業もアジア経済危機で打撃
【北京】PSAコーポレーションの初の主要な海外合弁事業、中国大連市における5億米ドルのターヤオワン(大窯湾)コンテナ・ポート(DCP)が、中国経済の再編やアジア経済危機の打撃を被っている。
昨年PSA子会社のシンガポール大連ポート・インベストメントは大連港湾局(PDA)と49:51の合弁契約に調印した。全国人民協商会議に出席のため北京滞在中のPDAのユアン・フーシウ局長がBT紙に語ったところによると、昨年のDCPのコンテナ処理量は前年を7.8%上回る45万TEU(20フィート・コンテナ換算単位)に達したが、同成長率は年率17~18%の成長目標を大きく下回っただけでなく、全国平均にも及ばなかった。
過去の実績が極めて低レベルなことから、ハイレベルの二桁成長が見込まれたが、中国経済が調整期を迎え、経済再編が進められる中で、中国政府の成長目標も控えめなものになっている。昨年の中国経済の成長率は8.8%と、前年を1%ポイントほど下回ったが、今年は8%の成長が見込まれている。
大連港が奉仕する東北地区の国営企業は中国政府の経済再編で最大の影響を被っている。加えて中国東北地区への主要投資国の韓国と日本の経済不振で、特に大連港から日本への物資の輸送は30%の落ち込みを見ている。
しかしDCPは今年はコンテナ処理量の15%以上の成長を達成し、利益も昨年の2400万元(S$470万)~2500万元から3000万元に増大させる計画だ。
同目標の実現は決して容易でないが、5つのバースの内の4つが完成、もしくは完成を間近に控えており、4000TEUクラスのコンテナ船の受け入れが可能になったこと、シェンヤン(陽)/大連間、ハルピン/大連間、延吉/大連間のコンテナ鉄道がサービスを開始したこと、国営海運会社チャイナ・オーシャン・シッピング・カンパニー(COSCO)が米国西海岸へのウィークリー・サービスを開始したこと、港湾業務のコンピューター処理が可能になったこと等から、希望がもてる。
DCPはCoscoが早期に欧州航路や米国東海岸への運航サービスを開始するよう希望するとともに、中央政府がインフラ開発投資を拡大し、経済成長を加速する意向のため、この機に乗じて30万トンの石油輸入バースと20万トンの鉱石輸入バースの建設許可を申請する方針だ。いずれにしても2000年までに年間80万~100万TEUのコンテナ処理を目指す当初の目標は依然捨てておらず、少なくとも80万TEUは実現できるものと見ていると言う。(BT:3/14)
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