1998-03-13 ArtNo.14159
◆<星>2月の国産非石油製品輸出成長率20%以上に:蔵相
【シンガポール】リチャード・フー蔵相は、このほど2月の国産非石油製品輸出が20%以上の成長を見たことを示唆したが、比較対象になる昨年2月の実績が低調だったことから、エコノミストらは冷淡な反応を見せている。
フー蔵相は火曜の国会答弁で、国内経済がマイナス成長に陥る恐れのない証拠として、1-2月の国産非石油製品輸出が11.6%の成長を見たことを明らかにした。今年1月の国産非石油製品輸出は0.5%のマイナス成長を見ており、1-2月に11.6%の成長が見られたとすれば、2月の成長率は24%前後に達したことを意味し、1996年1月以来最高の伸びとなる。
しかしアナリストらは、昨年2月の国産非石油製品輸出は旧正月やハリラヤの休日が重なったこともあって55億Sドルにとどまり、同年の月間平均70億Sドル強を遙かに下回った点を指摘する。
エコノミストらは最近の電子産業大手(インテルやコンパック等)の不振な業績予告で、先行きに益々悲観的になっている。Vickers Ballasのアナリストは、北米の経済成長が鈍化の兆しを見せており、欧州市場の成長にも目立った改善が見られないと指摘した。
JMサッスーンのエコノミストによれば、アジアの需要は一層の落ち込みが予想される。マーケット・プレーヤーらは設備能力を拡張し、市場シェア拡大を目指したが、需要は一夜にして崩壊した。このため国際PC(パソコン)市場が復調するまでは、シンガポールの輸出の回復は望めないと言う。
Skandinaviska Enskilda Bankenのエコノミストは、今年下半期になって初めて輸出成長の回復が望め、国際電子市況もその頃には改善している可能性があるため、Sドル安の恩恵が多少は期待できると語った。
JMサッスーン幹部は、下半期に輸出が回復すれば、2.5-4.5%の成長目標も実現可能性だが、もし回復しなければ、マイナス成長も有り得ると指摘した。(BT:3/12)
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