1998-03-11 ArtNo.14129
◆<星>与党議員、EDB会長に集中砲火
【シンガポール】新年度予算案の審理が行われた9日の国会で、与党古参議員らがシンガポールのトップ・シビル・サーバントに非難の砲火を浴びせると言うシンガポールでは珍しいシーンが演じられ、地元紙はいずれも翌日の一面トップに報じた。
この日の国会本会議の席上、アイル・ラジャ区選出のタン・チンボク議員は、「政府奨学金を得ながら、公共部門に就業しなかった奨学生の名を紙上に公開した措置に異議を唱ことを理由に、議員辞職を勧告したのは、経済開発局(EDB)のフィリップ・ヨー会長ではなかったのか」とイースト・コースト集団選挙区(GRC)選出のチュン・ヒーコック議員に質した。
タン氏は、さらに、EDBや国家コンピューター局(NCB)の幹部が居並ぶ会議に国会議員を呼びつけ、国会演説の草稿を事前にEDBに提出しなかった非を詰った上、EDBの方針に反対するなら議員を辞職するよう求めたヨー会長の態度は、そのポストに比してあまり大き過ぎるのではないかと問うた。
タン議員は、国会における発言を理由に首相から辞職を求められた議員ないとするとともに、雑誌パイオニアーズ・オブ・コンピューティングの誌上で、公共住宅アップグレード・スキームを批判したヨー氏の発言を取り上げ、「政府の基本政策に反対するヨー会長に対して誰も辞職を求めなかったにも関わらず、ヨー会長はチュン議員に辞職を求めると言うのか」と追及した。
同氏はまた「シンガポールのリーダーは創造性がない」とのヨー氏の発言を取り上げ、「この種の発言を行う前に、異なる意見を受け入れないような組織において、一体どのように創造性を発揮できるのか、自問して見るべきではないか」と指摘した。
この日は少なからぬ与党議員がヨー会長非難の戦陣に加わったことから、国会リーダーを務めるウォン・カンセン内相は、予算審理の本題から外れぬよう注意を促したと言う。(ST,BT,LZ:3/10)
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