1998-03-10 ArtNo.14121
◆<馬>プロトンのフィリピン合弁事業、新投資家物色
【マニラ】マレーシアの国産車メーカー、プロトンがフィリピンに設けた合弁会社プロトン・ピリピナス・コープ(PPC)は、資金不足から新たな投資家を物色している。
PPCは最近、フィリピン投資局(BOI)に新パートナーの受け入れに関する申請書を提出したが、巷間では、ブルネイのハスナル・ボルキア国王のマニラ訪問に絡めて、ブルネイ投資家が、同プロジェクトに新資金を注入する可能性が囁かれている。
1994年のプロジェクトのスタート以来、プロトンがこれまでに投じた資金は、9000ペソ(S$420万)にとどまり、これに対して地元パートナーは既に50億ペソ(92%)を投資している。このため地元投資家らは「プロジェクトを成功させるには、どうしてもマレーシアが主要な出資者を務めねばならない」と指摘する。
ラモス大統領とマハティール首相の合意に基づきフィリピンの“ピープルズ・カー”開発の夢を担う事業として発足した同プロジェクトは、1996年に2826台を販売、国内市場の1.74%のシェアを占めたが、1997年には2704台に販売台数を減少させた。ラモス大統領の故郷パンガシナン省に設けられた工場の4億ペソの拡張計画も棚上げされ、隣接する90haの土地に設けられるはずだった自動車部品製造センターも進捗を見ていない。
こうした中で先月マニラを訪れたマハティール首相は同プロジェクトに対するマレーシアのコミットメントを再確認し、マレーシアのラフィダ通産相もPPCのピーター・ロドリゲス社長に書簡を送り、マレーシア側の出資率を引き上げる意向を表明したと言われる。
ロドリゲス社長はこの点に関して、目下関係協議が進められており、話し合いの結果は楽観しているが、もしマレーシアが新たな投資に応じないなら、プロジェクトは深刻な影響を受けるだろうと語った。(BT:3/7,9)
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