1998-03-09 ArtNo.14103
◆<星>首相、過度な資金移動を抑制するメカニズムの必要性指摘
【シンガポール】ゴー・チョクトン首相は、国際金融体系を動揺させるような急激な資金移動に歯止めをかけるメカニズムの必要を指摘した。
最近メキシコのマスコミ代表団のインタビューに応じたゴー首相によると、情報技術(IT)の進歩で、数十億ドルの資金がボタン1つで瞬時に国境を超えて移動するようになったため、アナリストのちょっとしたコメントや根拠のない噂が、国際金融体系を動揺させる危険が高まっており、こうしたことも国際通貨基金(IMF)が取り組むべき問題の1つと言える。
とは言え、全世界が1つの金融体系に組み込まれているため、解決策を見出すのは極めて困難である。鍵は通貨トレーダーの穏当な取引を如何に実現するかだが、キャピタル・フローを維持する上から、通貨取引を規制したり、トレーダーの活動を窒息させることはできない。しかし通貨市場を動揺させるような、過度な資金移動は抑制する必要がある。
首相はアジア通貨危機の現状に触れ、「危機に直面する当事国が、経済問題を克服するには、如何に苦くてもIMFの処方した薬を飲み干す必要がある」と指摘した。
これらの国々はIMFの条件を嫌っているが、国際的なシステムに基づく適切な方式により国内経済を運営し、過剰支出や財政問題の管理ミスにより崩壊を来さないことを証明する必要がある。またもしIMFや欧米の支援が不十分と言うなら、再検討が必要になると言う。(ST,BT:3/7)
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