SEAnews 1998-03-09 ArtNo.14099

【シンガポール】シンガポールの1月の製造業生産は、電子、特殊化学、精密工学部門の不振に加え、旧正月／ハリラヤ休暇に伴う就業日数の減少等で、昨年同月比3.9％ダウン、過去8カ月以来初のマイナス成長を記録した。
経済開発局(EDB)が6日発表したところによれば、製造業主要5業種中の最大部門を成す電子産業(製造業生産の44.7%)は、ディスク・ドライブ、パーソナル・コンピューター、通信機器、消費用電子製品の不調から4.5％のマイナス成長を記録した。しかしながら半導体、コンピューター周辺機器、プリント基板(PCB)アセンブリーの生産は拡大した。
電子産業に密接にリンクした精密工学部門は、同月はやはり8.8％ダウン、プロセス工学も、旧正月／ハリラヤ・プアサ休暇に伴う工場閉鎖等で4％の生産の落ち込みを見た。
とは言え輸送機器の生産は船舶修理／改造工事の増加や造船、リグ建造、航空工業の好調等で20.1％の堅調な成長を見た。このためエンジニアリング部門は全体として1.2％のプラス成長を維持した。
化学部門の成長は昨年12月の18.7％から4.1％に鈍化した。特に工業用／特殊化学部門は10.9％のマイナス成長を記録、また薬品部門は、一部薬品中間剤の特許権切れに伴う生産の縮小や1工場が保守のため1週間操業を停止したこと等で、3.3％の減産を記録した。
石油化学生産は、昨年下半期に稼働した新プラントの稼働率アップで40.4％の成長を見たが、価格の軟化等で、昨年12月の96.1％、同11月の119.2％の成長には及ばなかった。石油精製部門も精製施設の拡張等で、5％の成長を達成した。(ST,BT,LZ:3/7)