SEAnews 1998-03-05 ArtNo.14062

【クアラルンプル】マレーシアの国産車製造元プロトンは1年前にヤハヤ・アハマド会長が死去して以来、幸運に見放され、今や創業以来最大の苦境に立たされている。
プロトンは依然として政府の手厚い保護を受け、国内市場では独占的地位(60%)は維持しているものの、アジアを襲った過去7カ月の通貨危機で、今年1月の国内自動車販売は64％の落ち込みを見、自動車販売業者協会は通年でも60％の下降を見込んでいる。
こうした中でプロトンは6000人の従業員の一部を整理したものの、依然として政府のコントロール下にある同社は、政治問題にもつながる大規模な人員削減は行えない状況にある。
故ヤハヤ氏と20年前に自動車の流通会社を興したサレー・スロン氏は、ヤハヤ氏に代わってプロトンの舵取りを引き受けて以来、国産部品の使用拡大を通じてコスト削減を図り、輸出拡大に努めてきた。この結果国産部品の使用率はこの1年間の60％から70％に高まった。目下同社は製品の42％を、世界の50ヶ国ほどに輸出しているが、欧州や米国の主要市場の開拓はまだ成功していない。アナリストらも輸出市場の拡大が、プロトンが生き残る唯一の道と見ている。(ST:3/4)