1998-03-05 ArtNo.14061
◆<馬>サイム/ブミプトラ両銀行に緊急救済措置:中央銀行
【クアラルンプル】マレーシア中央銀行のアハマド・ドン総裁は3日、マレーシアのコングロマリット、サイム・ダービー傘下のSime Bankと資産規模で国内第2位にランクされるBank Bumiputraが深刻な財政危機に直面、緊急に巨額な資金を注入する必要があると発表した。同総裁によれば、この他金融会社2社も資金の注入を必要としている。
それによると、サイム・バンクは18億Mドルの不良貸付を抱え、昨年12月期の半期決算で15億7000万Mドルの税引き前損失を計上した。これに伴い株主資金は3億6800万Mドルに、資本ベースは6億9800万Mドルに、それぞれ縮小した。
このため少なくとも12億Mドルを緊急に注入し、救済する必要がある。中央銀行は十分な財力を有する企業との合併をアレンジすることにより、サイム・バンクの再建を支援する。銀行間預金も含め、預金者の元金/利子は、政府が保証する。アハマド総裁は、「サイム・バンクは組織再編を必要としているが、決して破産に瀕している訳ではない」と強調した。
アンワル副首相兼蔵相がこの日明らかにしたところによれば、ラシド・フサインBhd(RHB)が、傘下のRHBバンクとサイム・バンクの合併に関する交渉を進めていると言う。RHBもこの日声明を発表、コマース・アセット・ホールディングBhdとの合併交渉を暫時ストップし、サイム・バンクと合併問題を協議していることを確認した。
アハマド総裁によれば、バンク・ブミプトラも同様な問題から7億5000万Mドルの資金注入を必要としており、こちらは政府が負担する。この他AbrarファイナンスとCempakaファイナンスも、700万Mドルと2600万Mドルの資金注入を必要としていると言う。(NST,MBT,STAR,ST,BT,LZ:3/4)
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