1998-03-05 ArtNo.14059
◆<星>不動産代理Hersing、2100万株公開
【シンガポール】不動産代理会社ERAグループの親会社Hersing Realty Ltd(HRL)は3日、セスダック登録を目指し、2100万株を1株36Sセントで公開すると発表した。
この内1600万株は私募にかけられ、200万株は社員や取引先のために留保されるため、公募は300万株(S$108万)のみとなる。
HRLの80%の収入はERAの不動産代理ビジネスのコミッションで占められ、1997年には6030万Sドルをマーク、1992年以来、年率44.9%の成長を見ている。また昨年の純益は1992年の40万2000Sドルから544万Sドルに拡大した。同利益を基準にした公開価格の株価収益率(PER)は6.5倍となる。
ERAは1997年には前年比24%増の31億Sドルの不動産取引をまとめており、内69%が住宅開発局(HDP)の公共住宅、25%が民間住宅で占められた。残りはリース。
今年は不動産取引の30%の落ち込みが見込まれることから、アナリストらは、HRLの先行きに懐疑的だ。また民間住宅取引2%、公共住宅取引3%のコミッション・フィーも市場レートの2倍にのぼるため、同レートを維持できるか否かにも疑問を呈している。
しかしHRLは公開調達した590万Sドルの資金で、国内代理店を現在の8社から1999年までに11社に拡大、香港における市場シェアの拡大も目指している。
HRLのハリー・チュア会長は、市況低迷の影響を認めたものの、「頭痛ならパナドールで済ませるが、心筋梗塞の発作が起きれば、専門医にかかるだろう」と述べ、不況時にはそれなりのビジネス機会が見いだせると強気だ。(ST,BT,LZ:3/4)
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