1998-03-05 ArtNo.14058
◆<星>スルヤジャヤ一族、L&Mの24.9%権益取得
【シンガポール】インドネシアのビジネスマン、エドウィン・スルヤジャヤ氏は3日、シンガポール証取(SES)上場の建設会社L&Mグループ・インベストメントのシェアを買い増し、その持分を24.9%(3824万株)としたことをSESに報告した。
スルヤジャヤ氏は月曜にシンガポールの証券会社キムエンの香港オフィスから1株50SセントでL&Mシェアを買い増したが、同価格はこの日の終値73Sセントを大幅に下回ている。とは言え、L&M株が50Sセントを超える値で取り引きされたのは、スルヤジャヤ氏による買収の動きが伝えられた過去数週間のことで、それ以前は長期間50Sセント以下を推移していた。
L&Mの支配権益は、ヨハネス・コチョ氏やスハルト大統領の次男バンバン・トリハトモジョ氏ら、インドネシアのビジネスマン・グループにより握られていた。しかし域内経済危機の打撃を受けた同グループは、昨年10月にスルヤジャヤ氏と、SES上場のヴァン・デル・ホルスト(VDH)にスルヤジャヤ氏がインドネシアの電話事業を注入して逆買収するとともに、VDHを通じてL&Mも買収することに関する協定を結んだ。
同協定の下、スルヤジャヤ氏はコチョ氏が所有するL&Mの32.8%の権益も買収するオプションを認められていた。
しかし同取引が実行される以前にコチョ氏らが抵当としてL&Mの当該シェアを預けていた銀行や証券会社が、なし崩しに同株式を売却処分した。スルヤジャヤ氏のSESへの報告によれば、同氏が手に入れた24.9%のシェアもコール・オプションの対象とされたコチョ氏名義の32.8%のシェアの一部分で、これにより同オプションは完全に失効したと言う。
スルヤジャヤ氏のL&M持分は公開買付義務が生じる25%をわずかに下回っている。アナリストらは、スルヤジャヤ氏が、いずれはインドネシアの資産を注入してL&Mの権益を買い増すものと予想しているが、それはインドネシア経済が安定した後のことと見ている。(ST,BT,LZ:3/4)
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