SEAnews 1998-03-04 ArtNo.14045

【クアラルンプル】マレーシア・テレコム業界の主要プレーヤーとして知られるＴ.アナンダ・クリシュナン氏が、傘下のタンジョンPlcを通じて、独立電力供給業者(IPP)パワーテックBhdの権益を買収、電力市場でも頭角を現した。
タンジョンは先週土曜、Cergas Unggul Sdn Bhdからパワーテックの24.22％の権益を現金2億5000万Ｍドルで買収すると発表した。タンジョンは先月6日にはパワーテックの22.25％のシェアをアラブ・マレーシアン・デベロプメントBhd(AMDB)からやはり現金2億3000万Ｍドルで買収すると発表しており、これ以前から保持する0.51％の持分と合わせて、パワーテックの46.98％を手に入れることになる。この結果、公開買付義務が生じるため、最終的に過半数権益を支配する可能性が大きい。
不動産投資／宝くじ・レーシング会社を傘下に収める英国登録の持ち株会社タンジョンはロンドン証取とクアラルンプル証取(KLSE)の双方に上場、1997年1月期税引き前利益は2億5341万Ｍドル、年商は15億2000万Ｍドルだった。アナンダ氏は傘下の信託会社ウサハ・トゥガスを通じてタンジョンの33.20％のシェアを握っている。
一方、マレーシアのＩＰＰの草分け企業5社中の1社に数えられ、初のインフラ企業としてＫＬＳＥ上場を果たしたパワーテックはマラッカに440ＭＷ(ﾒｶﾞﾜｯﾄ)のガス発電所を所有、1997年9月期9カ月の税引き前利益は1億508万Ｍドル、売上は1億7273万Ｍドルだった。同社は1999年には6億Ｍドルを投じて、既存発電施設を680ＭＷの複合サイクル発電施設にアップグレードする計画だ。(MBT:3/3)