1998-03-03 ArtNo.14026
◆<星>アップル、ファイルメーカー・ビジネスを独立の子会社に
【シンガポール】アップル・コンピューター子会社のクラリス・コーポレーションは、ファイルメーカー・インクに社名を改め、ヒット作ファイルメーカー・プロ・ソフトウェア関連ビジネスに専心する。
クラリスは先月、ファイルメーカー・プロ関連事業以外の業務を親会社のアップルに返還するとともに、300人を解雇すると発表した。クラリスの退任を控えたKer Gibbs重役(MD)によると、再編計画の下、ファイルメーカー・インクは、データー・ベース・ソフトウェアのファイルメーカー・プロとウェブ・ツールのホーム・ページに関わる業務のみを手がけ、例えばプロダクティビティー・スイートのクラリスワークス、イラストレーション・プログラムのクラリス・ドゥロー、チャーティング・プログラムのクラリス・インパクト等に関連したビジネスは、親会社に返還する。
これまでに300万ユニットが販売され、デベロッパー2500社を有するファイルメーカー・プロは、マッキントッシュ用としては最もポピューラーなデータベース・ソフトウェアで、またスタンド・アローンのウィンドウズ用データー・ベース・ソフトウェアとしても2番目にランクされる。1997年の売上は7300万米ドルをマークした。一方、クラリスの昨年度売上は2億8200万米ドルで、20四半期連続の黒字を記録した。
アップルが一部のクラリス製品の販売を停止するのではないかとの、憶測についてGibbs氏はコメントを避けたが、ガートナー・グループ・アジア・パシフィック・リサーチ・センターのチャン・ジーメン重役(プログラム・ディレクター)は、クラリスはウィンドウズ市場ではそのブランド・イメージを確立することができなかっただけでなく、アップル子会社がウィンドウズ製品を販売していることに対する懐疑を生じさせていたと語る。同氏によると、新体制の下、アップルはそのマッキントッシュ・ソフトウェアを通じてハードウェアの販売を促進でき、ファイルメーカー・インクはそのブランド・イメージを武器に販売を一層拡大できるはずと言う。
ともあれクラリスはアジア市場では、その売上を倍増させ、ウィンドウズ市場でも323%の成長を達成していた。(BT:3/2)
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