1998-03-02 ArtNo.14014
◆<馬>危機克服には政府の迅速な対応が鍵に:政府経済顧問
【クアラルンプル】マレーシア政府はより迅速に通貨危機に対応し、投資家の自信を回復させる必要がある。
マレーシア政府の経済顧問を務めるダイム・ザイヌディン氏がシンガポールのストレーツ・タイムズに語ったところによると、リーダーらは国内経済を元の軌道に乗せるため全力を傾注しているが、先ず国民の自信を、次いで国際経済界の信頼を回復させる必要がある。
「経済危機に対する政府の対応に満足しているか」との質問に、自信回復キャンペーンの大本営、国家経済行動委員会(NEAC)のヘッドに指名されたダイム氏は、暫く考えた後、「政府は問題を理解しているが、一層迅速な行動が望まれる」と語った。
外国投資家らは、マレーシアの指導者がなすべきことを行うよりも、無意味な論議に時間を費やしていると見ている。Mドル相場が下落した最初の数ヶ月、マハティール首相やその他の政界リーダーは、外国投機家が域内諸国の国民を一層貧窮化させた張本人であると非難した。
ダイム氏はこの点に関して、「貧乏人や途上国のリーダーを余りに長く務めたマレーシアは、弱小国が投機家の標的にされているように見えたため、同問題でもチャンピオンになることを欲したが、この種のエピソードはマレーシアの指導者がなすべきことをわきまえぬ理由や否認症の理由にされるべきではない」と指摘した。
マレーシアの指導者は1969年の人種暴動、1980年代半ばのリセッション、1987年の与党統一マレー国民組織(UMNO)の分裂と、豊富な経験を積んでいるはずだが、この種の問題の処理に長けたリーダーが、マレーシア経済をどのように回復させるかが注目されている。
第1のステップは地元ビジネスマンや貿易業者にMドルをキープさせることである。Mドル相場が回復した瞬間に、これらの者がMドルを米ドルに替え、貿易代金を支払うなら、Mドル相場を安定させることはできない。Mドル相場さえ安定すれば、国内経済は急速に回復するはずである。とは言え、マレーシアの貯蓄率は高く、政府の財政状況は健全で、政治も安定しているため、政府はなすべきことに専心しさえすれば良いと言う。(ST:2/28)
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