1998-03-02 ArtNo.14009
◆<星>経済危機の衝撃には予算外措置で対応:新年度予算案上程
【シンガポール】リチャード・フー蔵相が先週金曜(2/27)国会に上程した新年度予算案は、期待された法人減税もなく、製造業界に対する目立った支援措置も見あたらぬ地味な内容だったが、フー蔵相は、この点に関して「シンガポール経済は昨年依然として7.8%の堅調な成長を遂げ、国内業界は未だ域内経済危機の全面的な衝撃を受けておらず、経済刺激措置を採用する段階にはない」と指摘した。
このため政府は新年度予算の小幅な黒字を維持するとともに、シンガポール経済の長期的な基盤強化策として教育、経済インフラ、国防支出を拡大する。中でも教育支出は昨年比30%増の57億Sドルに拡大される。これは国内総生産(GDP)の3.6%に相当する。また国防予算はGDPの4.4%から4.6%にアップ、インフラ面ではチャンギ・イーストの埋め立てやジュロン・アイランドの第3期造成事業が実行される。
予想歳出272億Sドル/歳入299億Sドルの予算案の黒字は27億Sドルと、国内総生産の1.7%にとどまり、過去10年来最も小幅なものだが、政府は域内経済危機の衝撃により、国内経済が危殆に瀕した際には、果断な予算外措置を講じる十分な財源を確保していると言う。(ST,BT,LZ:2/28)
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