1998-02-27 ArtNo.13983
◆<星>インサイダー取引の国際的捜査協力で法制改革検討
【シンガポール】シンガポール金融管理局(MAS)はインサイダー取引等の国際的捜査協力を可能にする法制改革を検討している。
MASが25日発表したステートメントによれば、これは、香港証取上場のクラウンハンプトン・インターナショナルLtd(サムチョン・インターナショナルの前身/現社名チャイナ・デベロプメント・コーポレーション)のインサイダー取引容疑に関する香港当局の捜査依頼に応じることができなかったためで、また上訴廷が最近、シンガポール国会は海外在住のシンガポーリアンに適応可能な法律を制定できるとの判断を示したことに伴うもの。
MASは1994年2月から1995年5月の間に香港証券先物取引委員会(SFC)から某シンガポーリアンのクラウンハンプトン社株に関わるインサイダー取引容疑の捜査協力を求められた。
SFCは同委員会が捜査中の人物がシンガポールのインサーダー取引法に違反していないか、香港当局により判決された罰則をシンガポールにおいて執行することが可能か否かについて、MASの確認を求めるとともに、ある種の証拠書類の取得や容疑者のインタビューに関してMASの協力を求めた。
しかしMASは、シンガポールの法律の下では英国植民地(当時)でなされた行為に対してシンガポールで罰則を科したり、SFCが求めるような捜査に協力することは困難なことを説明するとともに、現行法が認める範囲で協力することを回答したと言う。
シンガポール証取(SES)は、これ以前にサムチョン・コーポレーションの上場申請を棄却しており、以上の経緯が上場申請棄却の背景と見られる。(ST,BT:2/26)
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