1998-02-24 ArtNo.13941
◆<馬>法人貸付金利は16.25%に:中央銀行指示
【クアラルンプル】マレーシアの中央銀行は先週木曜、国内の銀行/金融会社に定期預金金利を11.5%に維持するとともに、法人貸付に際しては16.25%の金利を課すよう指示、金融市場に対する規制を一層強化した。
消息筋は、中央銀行の指示は、一部の金融機関が20~24%の貸出金利を徴収しているとの訴えに応じたものと指摘する。銀行界は資金コストと融資対象となる顧客のリスクを配慮して金利を設定してきたが、16.25%のキャップが設けられたことにより融資対象のリスクは金利設定の際の配慮材料から除外された。また金融会社は高金利により法人定期預金の獲得を図ってきたが、こちらも上限が設けられたため、比較的リスクが高いと判断されるような金融会社は益々資金調達が困難になる見通しだ。
某エコノミストはこの点に関して、「中央銀行はプライスとクオリティーを同時に追求することはできず、いずれか一方を選択する他ない」と説明した。外国銀行や地場大手銀行に預金者を奪われた上、高いインターバンク・レートに悩む大部分の金融会社の金利収入は急速に縮小している。金融会社が提供する融資の返済期限は一般にそれ自身の債務の返済期限を上回るため、新規預金者の獲得を通じた資金補充ができなければ、経営は行き詰まる他ない。このため金融会社は合併により資本規模の拡大を図らざるを得なくなる見通しだ。
また某銀行筋は、中央銀行にとってはマレーシア・インクの流動性不足の解消が第一義で、個々の金融会社がその貸出リスクに応じた適切な金利を設定することができるか否かは二義的問題と指摘する。同筋によれば、より重要なことは、マレーシアのコングロマリットが財政破綻を来すことなく、金利の上昇に対処できるようにすることで、例えばユナイテット・エンジニアーズ・マレーシアが破綻すれば、銀行2、3行がその巻き添えになる。このため中央銀行は事態の推移に神経を尖らせていると言う。(BT:2/23)
|