SEAnews 1998-02-18 ArtNo.13856

【シンガポール】ナスダック登録企業Kuliche and Soffa Industries(K&F)傘下の半導体用ワイヤー・メーカー、アメリカン・ファイン・ワイヤー(AFR)は16日、500万米ドルを投じてアンモーキオに設けた新工場をオープンした。
新工場には170人が就業、集積回路(IC)内部の回路結合に用いられるゴールド接着ワイヤーが製造される。1985年にシンガポールに進出したＡＦＲは、これまでスノコとマルシリンに工場を設けていたが、新工場の完成により、年産能力は85億メーターに50％拡大する。同社は年内にさらに100万米ドルを投じて設備を拡張、年産能力を91億メーターとする。
製品の80％はＡＳＥＡＮ諸国や中国を中心とするアジア太平洋地域の主要な半導体企業に納入される。ＡＦＲは東南アジアのゴールド接着ワイヤー市場では20％、シンガポールでは40％のシェアを占め、世界的には4位にランクされている。目下日系企業3社がトップ3を占めているが、ＡＦＲはナンバー1を目指している。
ＡＦＲの年商は過去数年10～15％の成長を見、親会社Ｋ＆Ｓの昨年の営業額5億200万米ドルの約15％を占めたが、新工場の完成で今年は25％の売上増を見込んでいる。しかし今年は東南アジアを襲った経済危機で、域内売り上げに関しては縮小が見込まれる。同社は柔軟な支払いシステムを設けて、東南アジア、特にタイ顧客の苦境乗り切りを支援、これにより顧客のつなぎ止めを図っている。
ＡＦＷはＫ＆Ｓ傘下の唯一のゴールド接着ワイヤー製造会社で、またアジアにおけるグループの唯一の半導体配線工場である。Ｋ＆Ｓは別に米国にアルミ・ワイヤーのボンディング工場を有し、スイスにも特殊ワイヤー工場を設けている。(ST,LZ:2/17)