1998-02-17 ArtNo.13849
◆<印度>CIS諸国のダンピングで、鉄鋼更に値下がり
【ニューデリー】インドの鉄鋼業界は慢性的な不況に悩んでいるが、トンネルの出口はほど遠く、輸入品との競争で今後一層深刻な値下げ圧力を受ける見通しだ。
独立国家共同体(CIS)諸国の輸出港になっている黒海沿岸の諸港では鋼材のストックが山積みされており、ウクライナは冷間圧延(CR)コイルをトン当たり300米ドル(FOB)、熱間圧延(HR)コイルを同210-300米ドル、ビレットを同175米ドルで輸出しているとされる。しかし一部アジア産ビレットのオファー価格はトン当たり120米ドルと言われ、スクラップ価格も下回っている。
某鉄鋼業界筋によれば、、インドでは過去2年来反ダンピング税の徴収が論議されてきたが、実際に課されたためしが無く、それに引き替え例えばタイでは絶えず反ダンピング税が課されている。
こうした中で国内溶鉱炉業界は、往時には180社を数えたが、これまでに90社以上が操業を停止、生き残ったものも、半死の状況にある。二次製造業界の生産は多少拡大したものの、これはEssarとTiscoの2社が設備を拡張したためで、状況に大差はない。仮に輸入品に反ダンピング税が課されないなら、1998/99年は悪夢と言う。(IE:2/16)
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