1998-02-17 ArtNo.13840
◆<星>アジア通貨危機、ITホーム・マーケットにも打撃
【シンガポール】アジアを襲った通貨危機は、シンガポールを含む域内のIT(情報技術)ホーム・マーケットや中小企業市場にも打撃を与える見通しだ。
米国の調査会社IDCの幹部によると、ASEANにおけるパソコン(PC)の販売台数は昨年の200万台から今年は100万台に下降、金額も21億米ドル縮小する見通しだ。同時に消費者の選択も高価なハイエンド機種から比較的安い機種に移行するものと見られる。
日本を除くアジア太平洋地域の今年のIT市場規模は昨年の503億米ドルから490億米ドルに縮小するものと予想される。シンガポールの市場規模も通貨危機さえなければ、昨年の29億米ドルから36億米ドルに拡大が見込めたが、今年の売上は28億米ドルにとどまる見通しだ。
アセアンPC市場の縮小は高速CPUを次々と市場に投入してきたインテル社にも影響を与えるものと見られる。同社の売上は、昨年第4四半期に既に前年同期比15%落ち込んだ。アジアはインテルの売上に20%寄与している。
サン・マイクロシステムズのライオネル・リム重役(アジア南地区担当MD)は、マイクロソフト社の次期オペレーティング・システムのウィンドウズ98は現在の機種よりハイパワーで高価なPCを要求するため、支出抑制に努める企業はあえてアップグレードしないのではないかと見ている。(BT:2/16)
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