1998-02-11 ArtNo.13771
◆<馬>タンジョンのパワーテック買収にアナリストの反応まちまち
【クアラルンプル】豊富な現金準備を有するゲーミング会社タンジョンBhdの独立電力供給業者(IPP)パワーテックBhdの22.25%権益買収計画に、アナリストはまちまちなコメントを行っている。
タンジョンは先週金曜、現金2億3000万Mドル、したがって1株4.50Mドルで同買収を行うと発表したが、タンジョンの親会社ウサハ・トゥガスSdn Bhdが既にパワーテックの24.22%のシェアを有するため、公開買付義務が生じる。もし残余株式全てを買収するとすれば、そのコストは7億9440万Mドルに達する。その後25%のシェアを売却し、パワーテックの上場資格を維持したにしても、コストは6億2100万Mドルにのぼり、タンジョンの手持ち現金はほとんど枯渇することになる。ちなみにテレコム事業会社ビナリアンや通信衛星会社アストロを傘下に収めるアナンダ・クリシュナン氏が、タンジョンの親会社ウサ・トゥガスの支配権益を握っている。
WI Carrのアナリストは、「買付価格は有利なもので、持続的に好収益を上げるパワーテックは優良資産になる。公開買付後、一部のシェアを売却しても少なからぬキャピタル・ゲインが期待できる」と同買収計画を支持した。1998年の予想利益を基準にした株価収益率10.5倍の買付価格については、他のアナリストも買い得と見ている。
タンジョンは競争が過熱し、市場シェアも縮小しつつあるゲーミング・ビジネスから他の領域への業務の多角化を図っており、最近は中国における液化石油ガス(LPG)流通ビジネスの51%の権益も買収している。
銀行に6億Mドルの現金を寝かせ、年間1億5000万Mドルの投資収益をあげるタンジョンは、数少ない負債を有せぬ優良銘柄だが、一部のアナリストは別のオプションがあるのではないかと語る。それによると仮に事業の多角化が必要にしてもパワーテックは決して魅力的な投資対象とは言えない。パワーテックは6億~7億Mドルを投じて複合サイクル発電にアップグレードする必要があるが、電力会社トゥナガ・ナシオナルと好条件の新たな電力供給契約を結べるとは考えられないと言う。
とは言え、タンジョンはCegas Unggulのパワーテック持分を買い取ることにより、その収益基盤を拡大強化できると見る向きも少なくない。(BT:2/10)
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