1998-02-11 ArtNo.13767
◆<星>STIC、大型損失計上のSTキャピタルを親会社に売却
【シンガポール】シンガポール・テクノロジーズ・インダストリアル・コープ(STIC)は9日、アジア通貨危機の直撃を受け大型損失を計上したSTキャピタルの持分(42.04%)全てを親会社シンガポール・テクノロジーズ Pte Ltd(STPL)に4040万Sドルで売却すると発表した。これによりSTPLが直接所有するSTキャピタルの株式は71%になる。
資産担保金融と運転資金融資を主要業務とするSTキャピタル(1981年創設)は、この日同社の資本金と準備金の合計額の3分の1を上回る2650万Sドルの税引き損失を発表した。これは主にタイ・バーツ及びインドネシア・ルピア建ての収入と資産が為替相場の変動で激減したことによる。
STICのタイ・ショウチュン社長は、持分処分を決めたもう1つの理由として、STキャピタルの1対1の株主割当計画を指摘した。同株主割当はSTICに新たに2400万Sドルの負担を強いる。この他、STIC自身も、インフラ開発、情報技術、レジャー関連事業への資源の集中を通じて、通貨危機を乗り切る必要がある。株式売却利益は銀行借入の返済や運転資金に当てると言う。(ST,BT:2/10)
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