SEAnews 1998-02-10 ArtNo.13749

【シンガポール】アジアを襲った金融危機の影響が長引く中で、シンガポールを拠点とする企業の事業見通しも、昨年第4四半期には急速な冷え込みを見た。
ＢＴ紙と国立シンガポール大学(NUS)ビジネス調査研究センター(CBRD)が共同で実施した調査によると、調査対象企業153社のほぼ4分の3がこの先6カ月間の景気の悪化を予想、なかでも「かなり悪化する」と回答した企業が4分の1に達した。一方、景気の好転を予測した企業は約10％で、「かなり好転する」と答えた企業はわずか1％にとどまった。
ＣＢＲＤのチョウ所長によると、この圧倒的に悲観的な調査結果は前期の業績不振を単純に反映したものとも考えられる。
企業が今年上半期に最も懸念しているのは景気の先行きであり、金融・事業サービス企業の58％、運輸通信企業の43％、製造企業の34％が最大の懸念は景気の先行きと答えている。これ以前の調査では事業コストがトップだった。
しかしながら、商業部門と建設業界の企業に付いては、収益性を最大の懸念事とするものが、それぞれ40％と29％を占めた。また、外資系では建設企業と運輸通信企業が最も楽観的な先行き見通しを抱いている。(BT:2/9)