1998-02-06 ArtNo.13703
◆<星>コンパック、アジア・ビジネスの成長持続予想
【シンガポール】コンパック・コンピューターは、金融危機に見舞われ、しかもPC(パソコン)市場の統合再編が進むアジア市場において、同社のビジネスが今年も成長し続けるものと予想している。
コンパックのポール・チャン重役(アジア太平洋担当副社長兼MD)が4日語ったところによると、同氏は市場の平均成長率の少なくとも2倍の成長を目指している。
これ以前に同氏がロイターに語ったところによれば、アジアにおけるコンパックの出荷台数は昨年18%の成長を見たが、金融危機の影響で第4四半期の出荷台数は横這いにとどまり、タンデムを含めたグループの域内営業額は10~12%の落ち込みを見た。このため通年の営業額の伸びは18%を下回る見通しだ。
今年はアジアPC市場の統合再編の動きが一層加速する見通しで、如何なる領域にしろ最早収益を競うことはできなくなっている。このため各プレーヤーは厳しい選択を迫られ、市場から撤退するものが出る見通しだ。既に中小のプレーヤーはそうしており、こうした傾向が加速するものと予想される。
1995年初から1997年第2四半期の間に、コンパック、IBM、ヒューレット・パッカード、デルの上位4社の世界市場シェアは24.1%から32.4%に拡大したが、今世紀末にはそのシェアが40%に達するものと見られる。
今後アジア太平洋地域のPC市場はこれら主要企業の猛襲を受け、これまで第2線プレーヤーがニッチとしてきた低価格製品市場も侵食される。コンパックはサブUS$1000マルチメディアPCを積極的に売り込むとともに、アジア市場を対象としたテーラー・メードの製品の投入も予定している。例えばアジアの全ての国が56kモデムを必要としている訳ではなく、ある種のソフトウェアも不要と見られる。
コンパックは引き続き市場シェアの拡大に努めるが、収益性を犠牲にする考えはないと言う。(ST,BT,LZ:2/5)
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