1998-02-05 ArtNo.13688
◆<星>首相、インドネシアの信用危機に新たな救済策提案
【ジャカルタ】ゴー・チョクトン首相は3日、インドネシアの銀行が発行した信用状に対する二国間乃至は多国間の保証ファシリティーを設け、インドネシアの経済危機乗り切りを支援することを提案した。
この日、再度ジャカルタを訪れ、スハルト大統領と会談したゴー首相によると、スハルト大統領が首相の提案とその条件を受け入れるならシンガポールはインドネシア中央銀行に対して、またインドネシアのローカル銀行により発行された信用状に対して保証を提供すると言う。
金融危機の影響で一部の外国銀行はインドネシアの地場銀行が発行した信用状を受け付けなくなっており、インドネシア中央銀行が保証した信用状さえも拒絶されている。信用状の便宜が得られなければ、インドネシア企業は原料や設備を輸入することができず、したがって輸出も停頓し、経済の復興は望めない。
こうしたことから既にオーストラリア政府がこの種の保証を提供しているが、オーストラリアの食品はシンガポールを通じて輸出されており、二国間における保証の効果には疑問が表明されている。したがって多国間の保証ファシリティーを設けるに越したことはないが、時間がかかる。しかしゴー首相によると、仮に8ヶ国がそれぞれ10億米ドルを拠出するなら保証枠は80億米ドルに達する。もちろん200億米ドル程度の保証が提供できれば、一層理想的という。
スハルト大統領は、インドネシア中央銀行には約200億米ドルの外貨準備が有り、信用状に対する保証は十分可能だが、信用危機からその機能を発揮できなくなっているとし、ゴー首相の提案を歓迎した。スハルト大統領の健康状態は見たところ良好で、大統領はインドネシアの現状を完全に掌握している様子だったと言う。(ST,BT,LZ:2/4)
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