SEAnews 1998-02-04 ArtNo.13678

【イポー】昨年8月からCyrixマイクロプロセッサー搭載の国産ＰＣ(ﾊﾟｿｺﾝ)の製造を開始した地元企業ダイナミック・システムズ・セールズ・アンド・サービシズSdn Bhdは、経済危機に乗じて今年は国産ＰＣ売上を3倍に拡大する計画だ。
ムハマッド・ラザ重役(MD)によると、同社は昨年月間400セット、通年で500万Ｍドルの売上を達成したが、政府は国産製品の購入を奨励しており、創業7年の経験を有する地元企業として同社は、この好機を有効に利用する計画だ。Ｍドルの軟化からＰＣ価格は急騰しているが、同社は値上がり率を12～14％に抑制、競争力を維持している。
昨年、ペラ州政府からブルンバン工業団地の3エーカーの土地を提供され、同時にペラ州開発公社から1000万Ｍドルの補助金も取得したダイナミックは、総コスト3000万Ｍドルの第1期工場建設計画に着手、今年6月には新工場がフル稼働する。当初月間1万台のＰＣと1万ユニットのマザーボードを生産、製品の70％を輸出する計画だ。
同社が製造したCyrix商標マザーボードのプロットタイプは目下米国で最終段階の検査を受けており、4月には133MHz、166MHz、180MHz、200MHz、233MHzのマレーシア産MediaGXマザーボードが市場に投入される見通しだ。この他、キーボード、ＶＧＡカード、マウス、その他の周辺機器の製造も手がけられ、研究開発(R&D)センターの開設には150万Ｍドルが投じられる。
同社のメイン顧客はミモスBhdやテレコム・マレーシアBhd等の大手地元企業と各州政府で、また小売りチェーンのスマートショップが同社製品にキャノン・プリンターをバンドルして月間約200台販売している。
一方、プロトン、フォード、スズキ、イスズ、マツダ、カンチル、ホンダ等に部品を納入しているクアラルンプル証取(KLSE)二部上場のオートインダストリーズ・ベンチャーズBhd(AVB)は、自動車市況が低迷する中で、ダイナミック製ＰＣのマーケッティング引受を申し出ている。もし関係協議が妥結すれば、市場開拓はＡＶＢに委ね、同社は製造業務に専心できる。
この他、貿易会社のエリート・グループが南アフリカ、英国、ボスニア等、世界の17ヶ国へのダイナミック製ＰＣの輸出を引き受けていると言う。(STAR:2/3)