SEAnews 1998-01-31 ArtNo.13630

【シンガポール】昨年の製造業投資約定総額は前年比5％増の85億Ｓドルに達し、うち外資が70％(米国28%／日本24%／欧州17%／その他1％)を占めた。
経済開発局(EDB)のフィリップ・ヨー会長が26日明らかにしたところによると、今年も昨年並みの投資約定が期待できるが、通貨危機で域内市場のコンディションが悪化しており、シンガポールにおける投資の見直しや延期を余儀なくされる多国籍企業も出る恐れがある。100億Ｓドルの目標の達成についてヨー会長は、「1年以内かもしれないし、2年あるいは3年かかるかもしれない」と、当初の予想よりも長くかかる可能性を示唆した。
ＥＤＢは多国籍企業の投資を促すため、クラスター・デベロップメント・ファンドを通じて戦略的プロジェクトには共同投資を行っているが、昨年、同ファンドには10億Ｓドルが追加され、20億Ｓドルに拡大された。ＥＤＢは共同投資プロジェクトへの出資比率を現在の平均30％から50％未満に増やす用意がある。
経済危機で域内の大型プロジェクトが延期されている間にシンガポールは全速力でプロジェクトを進め、キャパシティーを拡大、優位に立つべきで、またＳドルと周辺諸国の通貨に大きなギャップが生じたことから、コスト削減を通じた競争力の維持も図る必要がある。
ＥＤＢはまた同局が年商1億Ｓドル以上の多国籍企業に育成することを目指すいわゆる将来を嘱望される地元企業(PLE)に対する融資の継続を銀行33行に対して説得しているが、地元企業がこうした点で困難に直面した際には、ＥＤＢは短期ベースで運転資金を融資、リスクをシェアする用意があると言う。(ST,BT,LZ:1/27)