1998-01-26 ArtNo.13602
◆<星>2国会議員、アンダーライター抜きで不動産会社を公開
【シンガポール】シンガポールの国会議員ペー・チンフア/ケネス・チェン両氏が正副会長を務める不動産会社ドランゴン・ランドは23日、低調な市況からアンダー・ライターを務めるマーチャント・バンカーが見いだせないにも関わらず、シンガポール証取(SES)上場を目指す株式の公開を宣言した。
公開公募では株式資本の25%程度が公開されるのが一般的だが、ドラゴン・ランドは増資後の株式資本の10%に相当する2500万株のみを1株0.13米ドルで公開、内1500万株は私募、残りの1000万株を公募した。ペー、チェン両氏の増資後の持分は合わせて19%になる。予想利益に基づく株価収益率は8.97倍。
香港のチュンコンとカナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマース、そして華聨銀行(OUB)が共同で設立したマーチェント・バンクのCEFが公募幹事を務める。CEF幹部は記者会見の席上、「アンダーライターを引き受けなかったのは、タイミングを懸念したまでで、会社に疑問を抱いている訳ではない」と強調した。
応募不足が生じた際はペー、チェン両氏を初めとする既存株主が、引き取ることになる。しかし公募調達額が260万米ドルに過ぎないことから、さしたる問題はなさそうだ。チェン氏は目下の主要な関心は資金を調達することではなく、上場資格を得ることと語った。
上場規則に定められた最低1000人の応募を確保できるかか否かが問題だが、既に同社の30%のシェアは公開されていることから、他の上場条件は全て満たしている。上場資格さえ得れば、市況が回復した際には容易に資金が調達できると言う。
中国プロジェクトに7000万Sドルを投資、甘粛省安西、江蘇省常州、山東省青島に170万平米の土地を所有するドラゴン・ランドの1997年6月期年度の税引き前利益は500万Sドル、売上は3040万Sドルで、損失引当に3万5000Sドルが計上されている。1998年には8%の増益が見込まれている。
過去5年間に中国で開発された住宅は主にシンガポーリアンに販売され、約770ユニット(全体の40%)が未成約だが、同社は今後は中国人を重点に販促を進めるとしている。このことは収入のより大きな部分が人民元建てになることを意味している。公募締め切りは2月10日、取引はその2日後からスタートする。(ST,BT,LZ:1/24)
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