1998-01-20 ArtNo.13527
◆<星>NCS、地域ビジネス拡大目指し買収/合弁対象物色
【シンガポール】ナショナル・コンピューター・システムズ(NCS)は域内経済が通貨危機の打撃で低迷している中でもリージョナライゼーションの歩調を緩めず、買収対象や合弁相手を物色している。
国家コンピューター局(NCB)の子会社として政府機関に情報技術(IT)サービスを提供してきたNCSは1996年に法人化され、昨年シンガポール・テレコムに完全買収された。
NCSのリー・クォックチョン重役(MD)によると、同社は、教育/政府/ヘルスケア/司法/警備/インフラ/ホーム等のターゲット市場へのアクセスを可能にする企業の買収を目指している。
今年は通貨危機の影響も有ってさしたる海外事業収入は見込めない。タイ、インドネシア、マレーシア等の国の企業は必要な物資やサービスをできるだけ国内で調達しようとしており、ビジネスは明らかにやりにくくなっている。今回の経済危機が発生する以前には、1999年3月期の年商が2桁成長を遂げるものと予想していたが、営業額の成長速度は通貨危機の影響で顕著に鈍化、利益も一層深刻な影響を受ける見通しだ。とは言え今年3月期の営業額は依然二桁成長が見込める。
今年は域内事業収入の拡大よりも域内リンクの構築や域内のリソースの利用を目指す。昨年の1億4000万Sドルの総収入の内、海外事業収入は、僅か100万Sドルを占めたに過ぎず、シンガポール政府関連の事業が営業額の90%を占めているが、2000年には営業額の3分の1が政府部門以外からの収入で占められるはずだ。新顧客の開拓はNCSにとって大きな挑戦だが、域内の主要ITプレーヤーになることが、NCBから分離独立した主旨でもあると言う。(BT:1/19)
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