1998-01-16 ArtNo.13480
◆<星>蘇州プロジェクト、2、3年で黒字転換も:副首相
【シンガポール】シンガポールと中国が合弁で進める蘇州工業パーク(SIP)は蘇州市政府との軋轢にも関わらず、ここ2、3年で投資収益の環流が見込める。
リー・シエンロン副首相が14日の国会答弁で明らかにしたところによると、開発業者のチャイナ・シンガポール・スーチョー(蘇州)インダストリアル・パーク・デベロプメント・カンパニー(CSSD)は、スタート以来4年を経た同プロジェクトが利益を計上するのに必要な期間を当初5~6年と予測していた。
これまでに同プロジェクトに、シンガポールの法定機関はエクイティー及びローン合計6550万米ドルを投入、この他にシンガポールで登録された企業グループが6550万米ドルを、多国籍企業パートナーが2422万米ドルを、それぞれ注入している。
SIPはこれまでに99件27億米ドルの投資プロジェクトを誘致、この内80件21億米ドルが工業プロジェクトとなっている。これまでに44社が操業を開始、別に22社が工場施設の建設を進めている。
しかしながらSIPは、蘇州政府が独自の工業パークの販促を積極的に展開したため、影響を被った。蘇州市の副市長は、ドイツ/シンガポール/中国合弁プロジェクトを手がけるコール首相の経済顧問に対して2度にわたり、「ドイツ企業は単独で中国に投資すべきで、シンガポールを介する必要はない。江澤民国家主席もSIPを支持していない」等とSIPプロジェクトを妨害する発言を行った。こうした高官がスタート段階でこの種の発言を行うことは誰も予想しなかったことだが、シンガポール側はその立場を中国側に伝え、回答を待っており、問題は中国の中央/地方当局により検討に付されていると言う。(BT,LZ:1/15)
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