1998-01-13 ArtNo.13437
◆<星>企業の引き締めで、ヘッドハンティング会社も試練に
【シンガポール】当地のヘッドハンティング会社の多くは、不作に終わった昨年に続き、今年も求職者にとっての見通しは決して明るくないと予想している。
PAコンサルティング・グループ・カントリー・マネージャーのエディー・スン氏は、人事担当重役の今年の採用姿勢はいずれも慎重と語る。コーン・フェリー・インターナショナルのK.S.ヨン氏も、「昨年9月末以来、管理職の求人依頼が20~30%減っており、候補者の推薦を得てから採用が決定されるまでの期間もこれまでの1~2週間から2週間以上に長くなっている」と指摘した。アジア経済の不振が伝えられる中で、シンガポール・オフィスのエグゼクティブ採用を本社が厳しくチェックするようになっている。また多くの企業が自然損耗を通じて人員の削減を行っており、補充されるケースが希になっているという。
ヘッドハンティング会社は、今年の求人状況を全業種にわたって悲観視しており、中でもアジア通貨危機の渦中にある金融業の採用が落ち込むと見ている。高給のプロフェッショナルを金融業界に斡旋しているラッセル・レイノルズ・アソシエイツのC.S.チュウ氏によると、証券や開発プロジェクト融資などを手がける銀行本部業務の求人が最も落ち込む見通しだ。同業界の人員削減は金融自由化にともなうリストラとの関連で見る必要があると言う。PAコンサルティングのスン氏も「整理統合が銀行業界の今年の合い言葉になっている」と語る。
外国人の求人についてコーン・フェリーのヨン氏は、外国人スタッフの契約期間が切れた時点で地元スタッフに切り替えるケースが増えると見ている。しかし、ラッセル・レイノルズのチュウ氏は、中南米での経済危機管理の経験をもつ合併・買収のプロには、高い需要が見込めると指摘した。(BT:1/12)
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