1998-01-08 ArtNo.13385
◆<印度>鉄鋼業の不振で、統一輸送料システムが復活
【カルカッタ】不況に伴う競争過熱で、鉄鋼会社が輸送コストを負担する風潮が一般化したことから、マンモハン・シン前蔵相が昨年初に廃止した統一輸送料システムが、実質的に復活している。
インド東部と東南部に総合的な鉄鋼会社5社が集中、同地域だけで年間1100万トンの製品が製造されている。これらの鉄鋼会社は輸送コストの一部負担を通じて、ウッタラプラデシュ州北部、パンジャブ州、ハルヤナ州、グジャラート州等の遠隔地顧客の確保を図っている。
統一輸送料の廃止で、鉄鋼会社は輸送コストの一部を製品価格に上乗せすることが認められたが、1500キロを越える遠隔地への輸送料にはトン当たり1700ルピーの上限が設けられている。これを基準にすると1キロ/1トン当たりの輸送料は1.14ルピーになる。鉄鋼業界はディスカウントの額を公表していないが、観測筋は東部地区におけるトン当たりの割引額が200~500ルピーとすれば、遠隔地のそれは1000~1500ルピーに達すると見ている。
スチール・オーソリティー・オブ・インディア等の政府系鉄鋼会社は顧客に提供するクレジットの期限を最大2カ月に制限されているが、競争が過熱する中で民間鉄鋼会社は、大口顧客には6カ月に及ぶクレジット・ファシリティーもオファーしていると言う。(ET:1/7)
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