1998-01-07 ArtNo.13363
◆<星>真の対中商談は契約調印後にスタート:上級相
【シンガポール】中国においては真の商談は契約調印後にスタートするため、対中ビジネスを手がける者は、忍耐力と柔軟性を要求されると言う。
台湾の中国時報のインタビューに応じたリー・クアンユー上級相によると、シンガポールにおいては、契約が調印されさえすれば、商談は完了し、全ては契約に基づいて進められるが、中国では契約調印は、交渉の新たな段階のスタートを意味するに過ぎない。中国ビジネスを手がけるものはこの点を銘記する必要があると言う。リー氏は、「我々は決してこうした中国人の態度を改めさせることはできないし、中国人も我々の態度をとやかく言うことはない」と付言している。
日本軍のシンガポール占領時代と英国留学時代は、リー氏の一生にとって2つの主要な転換点をなしており、両時代を経たことで中華文化に対する同氏の帰属感が深められた。中国人の勤勉さ、バイタリティー、貯蓄欲、子弟教育の重視と言った優良な特質が存在しなかったならシンガポールの今日の成功は実現しなかったと言う。
台湾と中国の関係は時の経過と指導者の交替を経るに従って改善するものと見られる。台湾は目下中国の人的資源を利用して資本の増殖を図っているが、中国が締め付けを強化すれば、こうした価値増殖活動の拠点を他に移転することもできる。しかし台湾は、50年後も米国に依存してその独立を維持できると考えるのは誤りである。シンガポールと台湾の関係については、台湾人がシンガポーリアンを歓迎する限り、良好な関係が維持されると言う。
一方、韓国は最近の経済危機の痛手を克服するのに多くの年月を要する見通しで、韓国人の真の苦しみはまだ始まっていない。こうしたことは東南アジア諸国についても言え、バーツの対米ドル・レートは6カ月前の20バーツから45バーツに下降したものの、庶民の台所には依然としてバーツが下落する以前に購入した物資が存在すると言う。(LZ,ST,BT:1/6)
|