1998-01-05 ArtNo.13333
◆<星>建築設計事務所、今年は最大25%の人員整理も
【シンガポール】東南アジアを襲った通貨危機と国内不動産市況の低迷からシンガポールの建築設計事務所は、25%ほど人員の削減を強いられる見通しだ。シンガポールの指導的建築家2人は2日、そろって以上の見通しを明らかにした。
建設業開発局(CIDB)副会長も務めるRSPアーキテクツ・プラナーズ&エンジニアーズのアルバート・ホン会長兼専務取締役は、CIDBが2日催した優良建築物の表彰式後、個人的見解として以上の見通しを語った。同氏によれば、地元民間不動産市場の市況低迷に伴う建設需要の下降に加え、12~18カ月前に獲得した域内プロジェクトの多くが通貨危機の影響で、停止もしくは延期されている。こうしたことから国内の建築設計事務所はそのスタッフを20~25%縮小することを強いられると言う。
またシンガポール建築士協会(SIA)のEdward D'Silva会頭によると、昨年は民間プロジェクト件数が20~30%減少しており、今年はさらに40%の減少が見込まれる。このことは建築士の手数料収入の40%縮小を意味し、大手建築事務所は、このため建築士ばかりでなく、全てのレベルの人員を25%前後削減することを検討していると言う。
シンガポールには建築設計事務所が450社存在し、内10社が100人以上の建築士を雇用している。全体の20%は平均60人、10~15%は平均30人を雇用、60%以上が個人営業となっている。またシンガポールには建築士局に登録された約1200人の建築士が存在する。
ホン氏とD'Silva氏は共に公共部門の需要は依然として堅調なことから、より多くの公共プロジェクトが設計/建築ベースで民間に発注されるよう希望している。これらには住宅開発局(HDB)のアパート建設や改装工事、公共事業局(PWD)のプロジェクトが含まれると言う。(ST:1/3)
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