SEAnews 1997-12-22 ArtNo.13284

【シンガポール】電子及び化学に次ぐ第3の製造業サブ・セクター、エンジニアリング部門における今年の投資約定額は13億Ｓドルと、昨年比15.3％増加した。
経済開発局(EDB)が19日発表したところによれば、運輸エンジニアリング、精密エンジニアリング、プロセス・エンジニアリングの3クラスターから成るエンジニアリング部門は、製造業総労働人口の28.3％を雇用、製造業付加価値生産の17.6％に寄与している。
シンガポールが世界市場向け精密製品／精密部品／工学システムの設計／開発／製造に関わるエンジニアリング・ハブに成る機会は極めて大きく、エンジニアリング業界の先行きは概して明るい。
しかし運輸エンジニアリング部門に属する海事部門の来年の業況見通しは多少慎重にならざるを得ない。海事部門の今年の生産高は昨年比2.1％増の34億Ｓドル、付加価値生産は2.4％増の8億9600万Ｓドルが見込まれる。成長は主にオフショア部門と船舶等の改装業務の貢献によるもので、修船／造船部門の成長は見られない。就業者数(2万5830人)が3％減少したのに伴い、1人当たりの付加価値生産は3万4725Ｓドルに5.6％アップ、1993年以来の下降局面から抜け出した。
精密エンジニアリング部門の今年の投資約定額は11％増の7億3400万Ｓドル、生産高は2.4％増の104億Ｓドル、付加価値生産は3％増の32億Ｓドルが見込まれる。最も顕著な成長を見たのはコネクター、半導体機器、リードフレームで、同部門にはこの他、精密金属組立、工作機械、産業用機械、精密プラスチック部品が含まれる。精密エンジニアリング部門の投資見通しは健全で、引き続き少なからぬ外国企業が同領域への投資に関心を表明している。
プロセス・エンジニアリング部門の今年の生産高は9.6％増の5億800万Ｓドル、付加価値生産は3.4％増の1億2200万Ｓドルが見込まれている。
エンジニアリング部門の競争力を補強するためＥＤＢは、企業の生産工程や生産性を向上させるための技術開発・改良プログラムや、技術訓練計画を実行し、また外国タレントの誘致を図ると言う。(ST,BT,LZ:12/20)