SEAnews 1997-12-19 ArtNo.13255

【シンガポール】あの手この手の手段を弄して、バイヤーの関心を引くことに余念のない不動産デベロッパーらは、延べ払い、値下げに続き価格保証スキームを採用する動きを見せている。
これ以前にファースト・キャピタル・コーポレーションは先ずメイスプリングのコンドミニアムの販売価格を11％引き下げ、さらにロヤン・ビラのテラス・ハウスも10％値下げ、バイヤーの買い気を誘うのに一応成功したが、これらの住宅を値下げ前に購入したものは、依然として古い価格で支払わねばならない。このため、バイヤーの間に性急に購入契約を結んでバカを見るよりは、値下がりを待った方が利口と言った観念が益々強まり、新規プロジェクトの販売が困難になる恐れが生じている。
こうした中でウォーターバンク・プロパティーズはガーリック・アベニューのクラスター・ハウジング・プロジェクト“ウォーターデール”の売り出しに当たり、購入契約者に値下げする際は、値下げ分を割り戻すことを保証する計画と言う。
アナリストらは同戦略は成功するものと見ているが、当該プロジェクトの採算性に懸念を表明している。昨年3月に二番札に84％の差を付け、1億4100万Ｓドル、平方フィート当たり535Ｓドルで26万3867平方フィートの当該地を落札したウォーターバンクは、同地に建設した141ユニットの住宅を、1ユニット当たり130万～200万Ｓドルで売り出すもようだ。同価格は当初の目論見価格から10％ディスカウントされており、同社は印紙税も負担する方針と言う。アナリストらは、セミディタッチにはさらに5％程度のディスカウントがオファーされる可能性もあると見ている。
クラスター・ハウジングでは、高密度な土地利用を通じて、単位面積当たりの建設ユニット数を増やすことができ、ウォーターバンクもこの点を高値入札の理由として挙げていた。(ST:12/18)