1997-12-15 ArtNo.13194
◆<星>IPC、子会社支配権益を米国企業に売却
【シンガポール】IPCコーポレーションは12日、子会社IPCインターラクティブの50%(1000万株)の権益をナスダック登録のSeaChangeインターナショナルに売却、その代償に後者の2.41%権益を取得したと発表した。
シーチェーンジは自社新株62万5000株をIPC及びIPCインターラクティブの他の株主に対して発行、支払いに当てる。シーチェーンジの先週木曜の終値7.50米ドルを基準にすると、IPCインターラクティブの50%権益の売却価格は468万米ドルになる。IPC自身はシーチェーンジの2.41%(31万2500株)の権益を手に入れた。
IPCインターラクティブはホスピタリティー産業や商業用不動産向けにインターラクティブなTVネットワーク・システムやエンターテーメント・コンテンツ、ライセンシング・サービスを提供、操業初年度の1996年度に290万Sドルの損失を計上、今年も540万Sドルの損失を見込んでいる。また売上は昨年の1100万Sドルから今年の800万Sドルに下降したものと見られる。
シーチェーンジはテレビ産業向けデジタル広告差し込みシステムの指導的サプライヤーとして知られ、世界的に80%の市場シェアを占めている。同社はIPCインターラクティブと組んで、タイム・ワーナー・ケーブルのために光ファイバー・ローカル・エリア・ホテル・ネットワークを構築した経験を有する。またIPCはシーチェーンジのために同社サービスの受信に必要なセット・トップ・ボックスの製造を請け負っている。IPCスポークスマンによると、支配権益を得たことにより、シーチェーンジはIPCインターラクティブの米国テレビジョン市場における潜在性を十分に発揮させるものと見られると言う。
観測筋の中には、IPCが損失を縮小し、手持ち流動性を改善できると見るものが有る反面、僅か2.4%の権益のために子会社の支配権益を譲り渡したIPCの経営戦略に懐疑を表明する向きも有る。(ST,BT,LZ:12/13)
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