1997-12-12 ArtNo.13162
◆<星>S.パワー、送電網利用しデータ通信サービス計画
【シンガポール】シンガポール・パワー(SP)はその送電網を利用し、高速データ通信サービスを提供する可能性を研究している。
SP社はシンガポール・テクノロジーズ、ブリティッシュ・テレコム及び日本電信電話(NTT)と組んで、基本通信ライセンス入札に参加しており、送電網をデータ通信に利用できれば、基本通信ライセンス獲得競争の面でも優位に立てる。
カナダの電話会社Nortelと英国の電力会社Norwebは既に送電線を利用した通信により、ISDN(総合サービス・デジタル・ネットワーク)の10倍に相当する毎秒1メガビットのデータが転送できることを確認している。両社は、英国で実地テストを行い、マス・マーケットへの応用も可能としている。この種の技術はインターネットに応用でき、近い将来送電網を通じたインターネット電話が国際間で利用できるようになる可能性も予想されている。
SP社は同技術に大いに期待しているが、観測筋は関係技術の商業化には依然としていくつかのハードルが存在すると指摘する。例えばシンガポール・テレコムは既に通常の銅ケーブルを通じたADSLサービス“Magix”を開始しているが、こちらのデータ転送速度は送電線を利用した場合の6倍に達する。
またシンガポールでは一変電所がカバーする世帯数は最大2000と、英国の400世帯を遙かに上回る。このことは1メガビットの情報転送キャパシティーを2000世帯でシェアすることを意味し、とても需要に応じきれないと言う。(ST:12/11)
|