|
1997-12-12 ArtNo.13161
◆＜星＞クリエイティブ、米国サウンド・カード会社買収
【シンガポール】クリエイティブ・テクノロジーは10日、米国のサウンド・カード会社Ensoniq Corpを、7700万米ドルで買収すると発表した。
今回の買収価格はクリエイティブが関与した企業買収としてはこれまで最高額だが、4億6300万米ドルの現金準備を有する同社はこれまで適当な買収対象を物色していた。
クリエイティブのシム・ウォンフー会長が10日明らかにしたところによると、EnsoniqはＰＣＩ(ﾊﾟﾘﾌｧﾗﾙ･ｺﾝﾎﾟｰﾈﾝﾄ･ｲﾝﾀｰｺﾈｸﾄ)標準のオーディオ・チップ技術に定評があり、クリエイティブのこの方面の技術力を補強できる他、ヒューレット・パッカードやゲートウェー等の新顧客を同時に獲得できる。これらの大手ＰＣメーカーは、クリエイティブの製品を用いず、より低価格なEnsoniqの製品を使用してきた。
したがって今回の買収を通じてクリエイティブは相手先商標製造業者(OEM)市場におけるシェアも拡大できる。アナリストはこの点からEnsoniq買収は防衛的側面が強いと評している。
一方、シム氏はマイクロソフトの新製品DirectXがクリエイティブの売上に打撃を与えるとの見方を否定、DirectXは依然としてサウンド・ブラスターの水準に達しておらず、サウンド・ブラスターとともに使用して初めて最大の音響効果を発揮できると指摘した。
クリエイティブの97年9月期の四半期の純益は昨年同期の3倍以上の5160万米ドルを記録したが、シム氏は、金融危機が、韓国、日本にまで波及、加えてブラジル経済も不振に陥ったことから、1998年6月期の年商が当初予想した10～15％の成長を実現するのは難しくなったとし、10％前後の成長が達成できれば、満足との見通しを示した。しかしマージンは依然として30％台を維持できると言う。(ST,BT.LZ:12/11)
|