1997-12-09 ArtNo.13116
◆<星>政府、明年の5~7%の成長見通しに再度見直し:通産相
【シンガポール】シンガポール政府は最近発生した韓国の金融危機も配慮し、3週間前に下方修正したばかりの5~7%の来年度経済成長予測をさらに見直しを加える。
リー・ヨクスアン通産相が7日、グラスルーツ行事に参加後取材陣に以上の消息を語った。それによると5~7%の成長予測は、シンガポールにとって8番目の貿易相手国の韓国が経済危機に見舞われる以前になされたものである。域内諸国に生じた経済危機は多少に関わらずシンガポール経済に影響を及ぼすが、具体的な震度は現状では予測し難い。
米国と欧州主要諸国の経済が依然好調なことに加え、シンガポール経済は多角化し、対外債務もないことから、今のところ深刻な打撃は受けていない。シンガポールとしてはこうした有利な地歩を活かして、国際競争力を維持する他ない。メキシコは2年前の通貨危機を克服し、経済基盤をかえって強化したが、アジア経済も今回の危機を機に経済調整を図ることにより、より高度な発展を実現できる。アジア通貨危機を契機に政府は何らかの新しい政策を打ち出すのか、との質問にリー通産相は、シンガポール競争力委員会(5月に設置、同相が議長)は新たな情勢を検討の材料に加えねばならないだろうと語った。同委員会は数カ月内に作業を終える予定と言う。(ST,BT,LZ:12/8)
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