SEAnews 1997-12-05 ArtNo.13073

【シンガポール】経済開発局(EDB)が年商1億Ｓドル以上の多国籍企業に育成することを目指すいわゆる将来を嘱望される地元企業(PLE)300社の年商は、今年20％の成長を遂げ、平均5000万Ｓドル、総額160億(GDPの3-4%)に達する見通しだが、域内経済不振の影響で来年の成長率は鈍化する見通しだ。こうした中でＥＤＢはこれら企業の事業再編と調整を支援する。
ＥＤＢ企業開発部のリム・チントン部長が3日語ったところによると、ＰＬＥの今年の好調な成長は、新規投資、事業規模の拡大、新製品の発表等によるもの。製造業ＰＬＥの今年の製造投資は20％増の8億1400万Ｓドル、サービス部門ＰＬＥの事業支出は21％増の3億6400万Ｓドルが見込まれる。これによりＰＬＥの労働者1人当たりの付加価値生産は国内平均の9万4000Ｓドル(製造業)を遙かに上回る13万Ｓドルに達する。
ＥＤＢは2005年までにこれらの企業の内100社の年商を1億Ｓドル以上に引き上げる計画だが、今年は8社が1億Ｓドルの目標を達成、総数は28社になる見通しだ。
ＥＤＢは予想される域内経済の成長鈍化に対応し、1）企業及び産業レベルでの経営効率と生産性の向上を目指す整理統合、2）国内・国外における新技術へのアクセスと投資、3）半導体産業上流部門支援ビジネス、医療、自動車部品等の成長領域への多角化、4）ワールド・クラスのブランド・ネームの確立、の4領域でＰＬＥのビジネスの調整を支援すると言う。
この日の記者会見の席上紹介されたＰＬＥの1社、Bizarts Creativeは3次元ステレオ・ビジョン技術に今年500万Ｓドル、向こう数年間には1500万Ｓドルを投資、2010年までに年商1億Ｓドルの目標を達成すると言う。(ST,BT,LZ:12/4)