1997-12-03 ArtNo.13045
◆<馬>ASEAN、スタンドバイ・ファンド創設で合意
【クアラルンプル】ASEAN経済閣僚は1日、国際通貨基金(IMF)の融資を補完するスタンドバイ・ファンドを設け、経済危機に見舞われた域内の諸国を支援することで合意した。
フィリピンのロベルト・デ・オカンポ蔵相が記者会見の席上語ったところによると、同ファンドはボランタリー・ベースで準備され、ケース・バイ・ケースで支援を必要とする域内の国に提供される。同ファンドはIMFの規則や機能から独立するが、世界機関の支援融資を受けた国にのみ提供される。
今回の会議には米国、日本や複数の欧州諸国の代表が参加したが、以上の内容は対立する米国やマレーシアの妥協の産物と見られる。米国はこの種の融資はIMFの条件を受け入れた国のみに提供されるべきで、さもなければリスクが大き過ぎると警鐘していた。これに対してマレーシアは新ファンドには如何なる付帯条件も付けるべきではないと主張していた。しかし一体誰がファンドを拠出するのかは明らかにされていない。
この他、アジア開発銀行の支援下にASEAN蔵相会議の常設事務局を設け、域内諸国の経済動向をモニター、定期的に報告書を作成することも合意された。しかしマレーシアが提案した通貨取引の規制に対しては、各国の閣僚は性急に支持することを控えた。(ST,BT,LZ:12/2)
|