1997-12-03 ArtNo.13043
◆<星>地場銀行、DBSのプライム・レート引き上げに追随
【シンガポール】華聨銀行(OUB)を除く地元銀行は、シンガポール開発銀行(DBS)の先週金曜の動きに追随、月曜から最優遇貸出金利(プライム・レート)を引き上げた。
華僑銀行(OCBC)と大華銀行(UOB)の新レートはDBSと同じ6.5%、ケッペル銀行(KB)と達利銀行(TLB)は6.75%で、普通預金と定期預金の金利も0.125~0.625%ポイント上方修正された。地場4大行の中では最小のOUBのプライム・レートは依然6%となっている。
バンカ・コマーシャル・イタリアナ、バンク・オブ・ノバ・スコシア、バンク・オブ・モントリオール、ドイチェ・バンク、LNGバンク、ウニバンク・オブ・デンマーク、アラブ・バンク等の外国銀行もそのプライム・レートを6.75~7.50%に50ベイシス・ポイント引き上げている。
主要外国銀行のシティバンク、スタンダード・チャータード・バンク、ホンコン・バンンク、バンク・オブ・アメリカは、まだ引き上げを行っていないが、今週の資産負債委員会の会議の場で同問題を協議、それぞれ方針を決めるものと見られる。
証券会社メリル・リンチによれば、50ベイシス・ポイントの引き上げは、50万Sドルの住宅ローンを取り入れた者にとっては、月々の返済負担が140Sドル追加され、これは世帯収入のほぼ2%に相当する。これによりローン顧客が減る恐れはなく、また銀行のマージンは3-4ベイシス・ポイント・アップする。
しかし投資家にとっては、資金コストやマージンの僅かな上昇よりも、銀行界の抱える不良貸付がより重要で、例えばOUBの三洋証券に対する80億円(S$9940万)の貸付のようなケースが今後さらに明るみに出るのではないかと懸念されると言う。(BT:12/2)
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