SEAnews 1997-12-02 ArtNo.13028

【シンガポール】ノートン・ユーティリティーやアンチ・ビールス・ソフトウェアの製造元として知られる米国カリフォルニア州Cupertino拠点のSymantec Corpは、シンガポール・ベースのModus Mediaとの契約を通じ、来年初にもシンガポールに製造拠点を設ける計画だ。
Symantec Corpのオーストラリア拠点アジア担当副社長ガリー・セクスタン氏によれば、シンガポールにおけるいわゆる製造業務には同社ソフトウェア製品の複製、マニュアルの印刷、包装、日本を含むアジア太平洋地域全体の再販業者への配送が含まれる。同社がアジアに製造拠点を設けるのは初めてのことで、世界的には米国、アイルランドに続き3番目。Symantecは品質管理を、Modus Mediaは製造業務を、担当する。
当面同社ソフトウェアの中国、韓国、日本市場向けローカル・バージョンが制作され、その後英語バージョンの制作も手がけられる。この他、東南アジア業務と東北アジア業務の技術支援センターがシンガポールと香港に設けられる。目下アジアに対する技術支援業務はシドニーで手がけられている。
同社は先月またKao Media & Software Serviceをフルフィルメント・パートナーに指名した。同パートナーはデーター・ベースを管理し、顧客に新製品の情報を提供、アップグレードを支援する。この他、マレーシアのマルチメディア・スーパー・コリドー(MSC)にリサーチ・センターを設けることも検討されている。同センターはシドニーのアンチ・ビールス・センターと同様の機能を備える。
昨年アジアの営業額は132％成長、内、東南アジア売上の成長率は79％だった。同社の世界売上は1995年以来年率56.5％の成長を見ており、アジアは同成長の牽引役を果たしている。1997年3月期年商は4億7200万米ドル、純益は2600万米ドルだった。同営業額の半分はノートン・アンチビールスやノートン・ユーティリティー等のセキュリティー製品売上で占められ、残りの半分はWinfax、PC-Anywhere等のリモート・プロダクツ・ソルーションで占められた。目下インターネット・ツール、Javaデベロプメント・プロダクツ等の第3の分野への進出を図ている同社は、営業額の18.8％を研究開発(R&D)に投じていると言う。(BT:12/1)