1997-12-02 ArtNo.13026
◆<星>DEC、インターネット・ソルーションに照準
【シンガポール】シンガポール・テレコム(シングテル)のビデオオンデマンド事業“マジックス”が使用するハードウエア(64ビット・アルファサーバー)の納入契約(200万Sドル)を11月半ばに受注したディジタル・イクイップメント・コープ(DEC)は、インターネットが世界共通のコンピュータ・プラットフォームになるとの確信に基づき、インターネット・ビジネス・ソルーションの提供に力を集中している。
DECの1997年7月期年商は10%減の130億米ドルにとどまったものの、過去9四半期のうち8四半期に利益を計上、現金準備は25億米ドルを超える。加えて在庫水準も低く、システム統合サービスに対する顧客の評価も高まっていることから、同社のビジネスは好転しつつあるように見える。
DECのアンモキオ工場は、8400メインフレームを除く域内向けのほとんどの製品を製造している。同社はこの他、シンガポールに、アジア太平洋ヘルプデスク(投資額500万Sドル)、アジア太平洋リサーチ・ラボラトリー(投資額1000万Sドル)を設けている。
DECのR・ゴー副社長(ASEAN担当)は、シンガポールへのこうした継続投資の理由として、ASEANがアジア太平洋地域のスターパフォーマンスを示している点を指摘した。また、シンガポールはインターネットを含む多くの分野で、依然として同社の有力な成長市場になっている。DECの世界売上の20%にアジア太平洋地域が貢献、またASEANはアジア太平洋地域売上の20%に寄与していると言う。
ゴー氏によると、今年7月にアジアを襲った通貨危機まで、同社の業務は上り調子だったが、有望視していたタイとインドネシア市場が通貨危機の直撃を受けたことなどから、年間30%の成長目標を10%に下方修正した。しかし、マレーシアにはまだ期待をかけており、一部マレーシア企業には、引き続きリース契約の便宜を提供していくと言う。(BT:12/1)
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