1997-12-01 ArtNo.13014
◆<星>HDD会社、値下がりで来年の業績に深刻な影響も
【シンガポール】ディスク・ドライブ(HDD)の大幅な値下がりは、来年のHDD会社の業績に深刻な影響を及ぼすだけでなけ、HDDを最大の輸出品目とするシンガポールの貿易収支も影響を受けそうだ。
市場調査会社トレンド・フォーカスが最近の米国ラスベガスにおけるコムデクス・ショーの会場で発表したところによれば、HDD価格はサーバー部門もデスクトップ部門も過去2四半期にわたり急降下を続けている。両品目は今四半期だけで既に20%ダウン、HDD製品全体では8~15%下降した。例年のクリスマス・シーズンの3~7%の値下がりに比べ、倍以上の急速な値下がりになっている。
HDD会社はコンポーネント・コストのカットを通じてこうした趨勢に対応するものと見られるが、ディスク・メディア、ヘッド等の主要部品の消費が下降する可能性がある。既にメディアは供給過剰に直面しているが、来年はヘッドも過剰に陥る恐れがある。
企業のセントラル・コンピューターはハイエンド・サーバーから、システム当たりのHDD使用量が少ないミドルやロー・レーンジにシフトしつつある。また現在のサーバーの供給過剰は1998年末まで持続しそうだ。
デスクトップ領域でも1000米ドルPC(パソコン)の普及がHDD価格に大きな下方圧力をかけている。この種の機種は安価で小容量のHDDを用いているが、このことから1、2年後にはHDDの交換需要が見込める。
携帯用PCはデスクトップPCに比べ最大300%割高となっているが、このため携帯用PCバイヤーがデスクトップに乗り換える動きも出ている。こうしたことからポータブル・ドライブの出荷の伸びが予想外に低調になっていると言う。(BT:11/28)
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