1997-12-01 ArtNo.13010
◆<星>副首相、域内金融危機の影響に警鐘
【シンガポール】トニー・タン副首相は先週金曜(11/28)催されたエンタープライズ50表彰式の席上、最近の金融危機に伴う各国の経済政策の調整で域内経済の成長鈍化が予想され、シンガポール経済に対する影響も再来年まで持続する恐れがあると警鐘した。
それによると、タイ及びインドネシアに対する国際通貨基金(IMF)の援助で域内の通貨/株式市況は改善したが、これにより東南アジア経済が過去10年と同様の成長を回復できると考えるのは愚かである。
域内諸国がIMFにより提案された改革措置を全面的に導入すれば、これらの国の経済は一時的に大幅な成長鈍化を見る恐れがある。しかしそれは将来の成長のための基礎を築くための代償として甘受せねばならない。仮に域内諸国がIMFの提案を直ちに全面的に導入しないなら、域内経済は長期にわたる低成長もしくはゼロ成長に陥り、国民はより大きな苦痛を強いられることになる。
多くのアナリストは域内経済の基礎は良好と評しているが、政府の適切な経済政策が鍵となり、経済的基礎が良好なだけで自動的に高度成長が実現できる訳ではない。
一方、中国がその生産力を不断に強化し、市場開放により大量の外資を吸引するなら、域内諸国は脅威を受けざるを得ない。中国は域内諸国と同様に効率的な生産を、より低コストで実現する能力を立証している。シンガポールも例外ではなく、あるいはより直接的な脅威を受ける。シンガポールはハイ・コストと人材/資源不足と言うハンディキャップを負うてこうした脅威に立ち向かわねばならないと言う。(ST,BT,LZ:11/29)
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