1997-11-27 ArtNo.12966
◆<星>金融波乱の中でS$50億地下鉄東北線工事スタート
【シンガポール】東南アジアを襲った通貨危機の余震が続く中、シンガポール政府は25日、建国以来最も高価なインフラ・プロジェクトとされる総額50億Sドルの地下鉄(MRT)東北線(NEL)工事に着手した。
マー・ボータン運輸通信相は、起工式の席上「シンガポール政府はMRTや空港等の基本インフラ・プロジェクトは景気が良かろうと、悪かろうと躊躇なく実行する」と挨拶した。
同相によれば、その反面一部の者は採算の見込めぬ路線や駅の建設を認めぬ政府を小心過ぎると批判するが、こうした慎重な政策は奏功し、最近の金融危機の中でも安定を維持できた。需要が存在し、採算が見込める限り、それは消費ではなく、投資であり、政府はこの種のプロジェクトを実行すると言う。しかし同相はNELに続く、大型インフラ事業のスケジュールに関してはコメントを控えた。
全長20キロのNELが2002年に完成すると、シンガポールのMRTの総延長は63キロに達し、更に2007年までに160キロに延長される。陸運局(LTA)によると、同局はこれまでに30億SドルにのぼるNEL関連契約を発注しており、内25億Sドルは土木工事契約と言う。(BT,LZ:11/26)
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