1997-11-26 ArtNo.12950
◆<星>より透明な移動電話ローミング料金制を近く導入
【シンガポール】世界各国のGSMデジタル・セル式電話会社239社などで構成するGSM MOU協会は1年余におよぶ各社間の協議を経て、最近、携帯電話の国際ローミング料金システムを来年末までに現行の「各社標準料金+15%」から「インター・オペレーター・タリフ(IOT)」に転換する方針を決めた。
GSM MOU協会のアジア太平洋地域議長を務めるシングテル・モービルのS.M.タイ技術担当上級ディレクターは「新料金システムの合意を取りつけるのは容易でなかったが、最終的に80%を超えるメンバーの賛成を得ることができた」と語る。
同氏によると、現行システムでは、例えば競争の激しい市場には加入者向けに複数の料金パッケージが用意されており、「各社標準料金+15%」を算定しようとしても、どれが標準料金なのか判然としない。また現行システムでは創造的な料金設定は難しく、競争が促されない。
新システムの導入には各国政府当局の認可が必要だが、シングテル・モービルは、導入時期をなお検討中で、まだシンガポール電信局(TAS)には謀っていないと言う。
新システムの下、携帯電話各社はホールセール料金を設定し、全ローミング・パートナーに通知しなければならない。一定のローミング通信量を保証できるパートナーにはディスカウントも認められる。
新システムの導入により、「国際ローミング料金の透明度が高まり、ローミング利用が促進される」と期待する向きがある反面、「大きな加入者ベースを有する電話会社は比較的高いディスカウント率の提供により、益々多くのローミング利用者を獲得できる上、自社加入者に有利なローミング料金を相手方と交渉できる。このため加入者ベースが小さい電話会社は不利な立場に立たされる」と言った指摘もなされている。(BT:11/25)
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